褥瘡(褥瘡性潰瘍)は皮膚・皮下組織の局所的損傷で、骨の突出部が好発部位となっています。 この種類の潰瘍は、圧迫やせん断応力、引張り応力を原因とします(2)。 圧迫が血液循環を阻害すると、細胞の死滅により組織は壊死し、潰瘍ができます。 車椅子を使用する方や寝たきりの方(例、手術後や負傷後)は特にリスクが高くなります。
病的状態に至る主要原因
褥瘡は、特に感覚障害のある方、長期臥床状態の方、高齢者の方では、病的状態や死亡に至る主要原因となります 。最も褥瘡が生じやすい場所は骨の突出部で、肘、かかと、腰、足首、肩、背中、後頭部によくみられます。
分類
褥瘡は組織損傷度に応じて分類されます。 褥瘡は4段階に分類されます(2009年EPUAP-NPUAP審議会で合意されています)(3)。
カテゴリ/ステージI: 損傷のない消退しない皮膚の発赤
ステージIの臀部(著作権はNPUAP&にあり、許可を得て使用しています)
白く消退しない紅斑がみられますが、皮膚に損傷はなく、通常、骨突出部の領域に限られています。 皮膚の変色、熱感、浮腫、硬結、疼痛が認められる場合もあります。 色素沈着が濃い皮膚では、発赤の消退がはっきりと確認できない場合があります。
カテゴリ/ステージII:表皮、真皮あるいはその両方を含む部分層皮膚欠損
ステージIIの臀部(著作権はNPUAP&にあり、許可を得て使用しています)
真皮層の部分的欠損が認められます。瘡蓋はなく、創傷床は薄赤色であり、浅い開放潰瘍がみられます。 血清や血液を含む水疱が無傷の状態または開放/破裂した状態で認められる場合もあります。
カテゴリ/ステージIII: 筋膜下には達しないが、皮下組織の損傷あるいは壊死を含む全層皮膚欠損
ステージIIIの座骨部分(著作権はNPUAP&にあり、許可を得て使用しています)
全層組織欠損がみられます。 皮下脂肪は確認できますが、骨、腱、筋肉は露出していません。 瘡蓋がみられる場合もあります。 場合によってポケットや瘻孔もみられます。
カテゴリ/ステージIV: 骨、腱、筋肉の露出を伴う全層組織欠損
ステージIVの仙骨尾骨部分(著作権はNPUAP&にあり、許可を得て使用しています)
全層組織欠損がみられ、骨、腱、筋肉が露出しています。 瘡蓋や痂皮がみられる場合もあります。 多くの場合、ポケットや瘻孔がみられます。
必要な治療(2,3)
- 圧迫を避けるための適切な対応
- 以下の方法による創傷ケア
- 壊死組織の除去
- 創傷および周辺皮膚の適切な洗浄
- 湿潤環境で創傷治癒を促す適切なドレッシング材の使用
バイアテンシリコーン、バイアテンなど、滲出液を十分に吸収・保持できるフォームドレッシング材が褥瘡には適しています。